JWE2023年9月1日
日本における労働分配率の低下要因
What caused the downward trend in Japan’s labor share?
日本語要約
本研究は、日本における労働分配率の低下の原因を探ることを目的としています。この問題は、日本経済の構造変化や政策形成において重要な意味を持ちます。著者らは、日本の労働分配率を、国民経済計算と「産業別法人財務諸表統計」という二つの代表的な政府統計データを用いて推定しました。対象期間は1990年代以降であり、データのカバレッジや会計基準の違いを考慮して分析を行っています。結果として、日本全体および企業部門において、労働分配率が明確に低下していることが確認されました。特に、自営業者の所得(混合所得)や中小企業の経営者に対する給与・ボーナスの大幅な減少が、労働分配率の低下の主な要因であるとされています。この減少は、自営業者や中小企業の数の減少に起因しています。対照的に、従業員への給与やボーナスは、労働分配率の低下にほとんど寄与していません。これらの発見は、技術革新やグローバル化、非正規雇用の拡大が従業員の労働所得を減少させたという単純な見方が、日本経済には直接当てはまらないことを示唆しています。労働分配率の低下のメカニズムを理解するためには、自営業者や中小企業の数の減少の原因と影響を特定する必要があります。
ポイント
- 1本研究では、1990年代以降の日本の労働分配率を、国民経済計算と法人財務諸表統計を用いて推定し、明確な低下傾向を確認しました。
- 2労働分配率の低下の主な要因は、自営業者の所得と中小企業経営者の給与・ボーナスの減少であり、これは自営業者や中小企業の数の減少に起因しています。
- 3従業員への給与やボーナスは労働分配率の低下にほとんど寄与しておらず、技術革新やグローバル化の影響が日本経済に直接的には当てはまらないことを示しています。
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原論文情報
- ジャーナル
- Japan and the World Economy
- DOI
- 10.1016/j.japwor.2023.101206
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本ページはエコノメディア編集部による日本語紹介です。原論文の本文・要旨の全文翻訳ではありません。