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JWE2026年6月1日

移民政策と最低賃金が犯罪と失業に与える影響のモデル分析

Immigration enforcement and minimum wage policy in a search-theoretic model of crime and unemployment

Kaz Miyagiwa, Yunyun Wan

日本語要約

本研究は、非正規移民が存在する地域経済における移民政策と最低賃金が失業と犯罪に与える影響を探求しています。この問題は、移民の雇用状況や地域経済の安定性に深く関わるため、重要な意義を持ちます。著者らは、失業が検索摩擦から生じ、犯罪が失業者による偶発的な機会から発生するという前提のもと、連続時間モデルを構築しました。このモデルでは、ネイティブのための法定最低賃金と移民のための交渉賃金という二重の賃金設定メカニズムが特徴です。主な結果として、犯罪歴のある不法移民の強制送還を増やすことで、地域の失業率が一貫して低下することが示されました。ただし、犯罪への影響は条件付きであり、ネイティブ労働者を雇用する方が移民を雇用するよりも利益が高い場合に限り、犯罪活動が減少します。また、最低賃金の引き上げは失業率には影響を与えないものの、同様の利益条件下で犯罪を減少させることが示されています。一方で、企業が移民を雇用する方が利益が高い場合、これらの政策は逆効果をもたらし、移民による犯罪が増加する可能性があります。これにより、移民政策と最低賃金政策の設計において、経済的な利益構造を考慮する必要性が浮き彫りになっています。

ポイント

  1. 1本研究は、非正規移民が存在する地域経済における失業と犯罪の関係をモデル化し、移民政策の影響を分析しています。
  2. 2連続時間モデルを用い、ネイティブと移民に対する異なる賃金設定メカニズムを考慮することで、強制送還の効果を明らかにしました。
  3. 3強制送還が地域の失業を減少させる一方で、移民を雇用する方が利益が高い場合には犯罪が増加する可能性があることを示しています。

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原論文情報

ジャーナル
Japan and the World Economy
DOI
10.1016/j.japwor.2026.101359
原論文
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本ページはエコノメディア編集部による日本語紹介です。原論文の本文・要旨の全文翻訳ではありません。