エコノメディア

日本語で読む経済学研究

← 一覧へ
JJIE2025年9月1日

日本のギグ市場における労働供給の変動分析

Digital labor platform under the boom and bust: Bank account data insights

Sachiko Kuroda, Koichiro Onishi

日本語要約

本研究は、日本のプラットフォーム経済における労働供給が経済の変動にどのように影響されるかを分析しています。特に、著者らは大手メガバンクから得た匿名化された銀行データを用いて、ギグワーカーの特性や流動性の変化を明らかにしています。この研究では、2020年のCOVID-19パンデミック前後のデータを対象に、食事配達プラットフォームを利用する労働者の流動性の変化を追跡しました。ギグワーカーは主に若年層の男性で、流動性が低いという特徴があります。約32%の労働者は、ギグ収入を除くと流動性がゼロ未満であり、27%は流動性が50,000円(約335ドル)未満という厳しい状況にあります。また、ギグワークを始める前の数ヶ月間に流動性が減少し、ギグ市場への参加が高まる一方で、初月の継続率は60〜70%にとどまることが示されています。興味深いことに、COVID-19の不況期にギグワークを始めた労働者の初月の平均流動性は、パンデミック前の好況期に始めた労働者よりも高かったことが明らかになりました。これにより、経済的な余裕がある個人も不況期にギグ市場に参加することが示唆され、ギグ市場が一時的な収入調整のメカニズムとして機能していることがわかります。

ポイント

  1. 1著者らは、日本のメガバンクから得た匿名化された銀行データを用い、2020年のパンデミック前後のギグワーカーの流動性を分析しています。
  2. 2ギグワーカーの約32%が流動性ゼロ未満であり、27%が50,000円未満であることから、流動性制約が深刻であることが示されています。
  3. 3COVID-19の不況期にギグワークを始めた労働者は、パンデミック前よりも高い流動性を持ち、経済的余裕がある層も市場に参加していることがわかります。

タグ

原論文情報

ジャーナル
Journal of the Japanese and International Economies
DOI
10.1016/j.jjie.2025.101378
原論文
出版社サイトで読む →

本ページはエコノメディア編集部による日本語紹介です。原論文の本文・要旨の全文翻訳ではありません。