JWE2023年6月1日
日本の政府部門の財政政策と財政持続可能性の変遷
Chronological changes of government sectors’ fiscal policies and fiscal sustainability in Japan
日本語要約
本研究は、1990年代末以降の日本における政府部門の財政政策とその持続可能性について検討する。日本のGDPの低迷と公的部門の厳しい財政状況は、財政持続可能性への懸念を引き起こしているため、著者らは1976年第2四半期から2020年第1四半期までのデータを用いて、一般政府、中央政府、地方政府全体、社会保障基金全体の財政反応関数を推定した。推定には、ブレークポイントモデルやカルマンフィルターを用いた状態空間モデルなど、4つの異なるモデルを採用した。結果として、ブレークポイントモデルが他のモデルよりも優れており、中央政府、地方政府、社会保障基金は財政を持続的に管理している一方で、一般政府は1990年代中頃から持続可能な財政政策を実施できていないことが明らかとなった。また、中央政府と社会保障基金は日本の経済状況に応じて財政姿勢を調整しているが、地方政府は財政の厳しさに応じて姿勢を変更していることが示された。
ポイント
- 1著者らは、1976年第2四半期から2020年第1四半期までのデータを用いて、日本の政府部門の財政反応関数を推定した。
- 2推定結果では、ブレークポイントモデルが他のモデルに比べて優れた性能を示し、一般政府は1990年代中頃から持続可能な財政政策を実施できていないことが分かった。
- 3中央政府と社会保障基金は経済状況に応じた財政調整を行っているが、地方政府は財政の厳しさに応じて姿勢を変化させていることが確認された。
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原論文情報
- ジャーナル
- Japan and the World Economy
- DOI
- 10.1016/j.japwor.2023.101178
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