JJIE2025年3月1日
日本における正規労働者の労働市場:求人広告データからの視点
Labor market of regular workers in Japan: A perspective from job advertisement data
日本語要約
本研究は、日本における正規労働者(フルタイムの常勤職)の賃金と労働市場の逼迫度を、2015年から2022年までのオンライン求人広告データを用いて分析しています。オンライン求人広告は労働市場において重要な役割を果たしますが、日本における研究は限られています。本研究では、求人広告データに反映された労働市場の状況を文書化し、掲載賃金が労働市場の逼迫度にどのように関連しているか、またそれが既存の労働者の実際の賃金にどのように影響を与えるかを探求しています。主な結果として、正規労働者の掲載賃金はサンプル期間中、既存の正規労働者の賃金よりも速いペースで増加しており、業種やスキル要件による異質性も見られました。また、求人広告データから推定された求人充足率は近年低下しており、これは企業が労働者を雇用する際の困難を示唆し、掲載賃金の上昇と関連しています。さらに、掲載賃金の増加は、一定の時間的遅れを経て既存の正規労働者の賃金に正の影響を与えることが確認されました。これらの実証的な発見は、既存の労働者の維持や新規雇用者との賃金バランスを保つための公平性規範など、背後にあるメカニズムによって引き起こされる波及効果を示唆しています。
ポイント
- 1正規労働者の掲載賃金は、既存の労働者の賃金よりも速いペースで増加しており、業種による異質性が見られる。
- 2求人広告データから推定された求人充足率は低下しており、企業が労働者を雇用する際の困難を示している。
- 3掲載賃金の増加は、一定の遅れを経て既存の正規労働者の賃金に正の影響を与えることが確認された。
タグ
原論文情報
- ジャーナル
- Journal of the Japanese and International Economies
- DOI
- 10.1016/j.jjie.2024.101339
- 原論文
- 出版社サイトで読む →
本ページはエコノメディア編集部による日本語紹介です。原論文の本文・要旨の全文翻訳ではありません。