JJIE2026年6月1日
日本における高学歴女性の労働市場アウトカム:専攻分野とSTEM学位の役割
Labor Market Outcomes of Highly Educated Women in Japan: The Role of Field of Study and STEM Degrees
日本語要約
本研究では、全国就業実態パネル調査(JPSED)を用いて、日本の高学歴者を対象に、働き方や賃金における男女差を分析します。特に、STEM分野を中心に、大学での専攻分野によって男女差がどのように異なるかに注目します。分析の結果、STEM分野の学位を持つ女性は、就職直後には大卒以上の男性とほぼ同じ所得水準にありますが、卒業から6〜10年後には差が24.4%に拡大します。この不利は子どもを持つ女性で特に大きい一方、子どものいない女性にもみられます。また、卒業から6〜10年後には、STEM分野の学士号、社会科学分野、人文科学分野の学位を持つ女性の所得は、高卒または短大卒の男性を下回ります。一方、STEM分野の大学院学位や医学・薬学分野の学位を持つ女性は、これらの男性を上回る所得を得ています。さらに、医学・薬学分野の学位を持つ女性は、大卒以上の男性との賃金差もみられません。以上の結果は、家庭の責任に加え、女性に対する構造的な障壁も男女格差の要因であることを示しています。ただし、STEM分野の大学院学位や医学・薬学分野の学位を持つ女性は、例外的に不利を受けにくいグループです。
ポイント
- 1本研究は、日本における高学歴女性の労働市場アウトカムの男女差を分析し、STEM分野の役割を重視しています。
- 2データは日本の雇用動態パネル調査(JPSED)を用い、卒業から6年から10年後の賃金を回帰分析で推定しています。
- 3STEM学位を持つ女性は、卒業時には男性と同等の収入を得るが、6年後には24.4%の賃金格差が生じ、特に母親に対するペナルティが大きいことが示されています。
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原論文情報
- ジャーナル
- Journal of the Japanese and International Economies
- DOI
- 10.1016/j.jjie.2026.101425
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本ページはエコノメディア編集部による日本語紹介です。原論文の本文・要旨の全文翻訳ではありません。