JWE2024年6月1日
EUの炭素国境調整メカニズムが日本経済に与える影響の分析
A computable general equilibrium analysis of the EU CBAM for the Japanese economy
本研究は、EUが導入を計画している炭素国境調整メカニズム(CBAM)が日本経済に与える経済的および環境的影響を定量的に分析することを目的としています。この問題は、日本の産業や経済に対する懸念を引き起こしており、重要な政策課題となっています。著者らは、18のセクターと17の地域を持つグローバルな多地域・多セクターの計算可能一般均衡モデルを用いて、CBAMの効果を評価しました。分析の結果、CBAMの導入はEUからの炭素漏れを有意に減少させることが確認されました。また、CBAMの導入が各国のGDPや福祉に与える影響は国によって異なるものの、一般的には非常に小さいことが示されました。特に、日本においてはGDPや福祉に対してわずかながらも正の影響がある一方で、その影響の大きさは非常に小さいことが明らかになりました。さらに、日本のエネルギー集約型および貿易曝露型産業(EITE産業)にはわずかながら負の影響があるものの、その影響も大きな懸念には至らないとされています。これにより、CBAMの導入に対する日本の政策立案者は、影響の小ささを考慮に入れた上での対応が求められます。