エコノメディア

日本語で読む経済学研究

Tag

#波及効果

1

JJIE2025年3月1日

日本における産業動向の変化がもたらす総合的影響

Aggregate implications of changing industrial trends in Japan

Toyoichiro Shirota, Satoshi Tsuchida

本研究は、日本のGDP成長率の長期的な低下傾向が、全産業に共通する要因によるものか、あるいは個別の産業特有の要因によるものかを検討しています。この問題は、日本経済の持続的成長に関する理解を深めるために重要です。研究では、1958年から2019年までの日本のデータを用い、マルチ産業ネットワークモデルを適用しました。分析の結果、共通要因が日本の長期的なGDP成長率の変動の約60%を説明していることが明らかになりました。この数値は、米国における共通要因の寄与が約20%であることと対照的です。しかし、産業特有の要因も無視できない影響を持ち、特に機械産業に関連する要因が過去20年間の低成長を大きく説明しています。さらに、個別産業から全体のGDPへの波及効果は、各産業の生産および投資ネットワークにおける役割に依存し、日本では機械産業や建設業などの投資関連産業の影響が顕著であることが示されました。