エコノメディア

日本語で読む経済学研究

Tag

#シミュレーション分析

3

JER2026年1月14日

日本銀行の量的引き締めに向けた指針の構築

Toward a guidepost for quantitative tightening: the case of the Bank of Japan

Shigenori Shiratsuka

本研究は、日本銀行の大規模な非伝統的金融政策からの出口戦略、特に量的引き締め(QT)プロセスにおける指針の必要性を探求する。QTは、政策金利の調整に比べて標準化された指針が欠如しており、試行錯誤によって実施されることが多い。著者は、日本の非線形準備需要曲線を推定し、長期的な準備金残高の水準を特定するための実証的調査を行った。この調査は、日本銀行の金融政策実施の実務的な詳細を十分に考慮している。さらに、日本国債(JGB)の保有量の移行経路に関するシミュレーション分析を実施し、拡大した中央銀行のバランスシート環境における金融政策操作と財政資金調達の境界を明確にする「拡張紙幣ルール」を提案する。これにより、QTプロセスにおける理論的な枠組みを提供し、実務者や政策立案者にとっての有用な指針を示すことを目指している。

JWE2023年12月1日

炭素価格が韓国の産業部門のエネルギー使用に与える影響のシミュレーション分析

Simulated effects of carbon pricing on industrial sector energy use

Hyungna Oh, Jae Yoon Lee, Eunmi Jeong ほか

本研究は、韓国の産業部門における炭素価格のシミュレーション効果を分析することを目的としている。炭素税が産業部門の二酸化炭素排出量を削減するためには、エネルギー構成の変更が不可欠であることが示されている。具体的には、エネルギー構成が変わらない場合、炭素税は60,000ウォン(約54.55米ドル)以上でなければ、産業部門の14%の排出削減目標を達成できないとされる。データは韓国の産業セクターに関するもので、推定戦略にはエネルギーと他の生産要素との代替が可能な状況を考慮したモデルが使用されている。結果として、炭素税による産業生産の減少は相対的に小さいと推定されており、エネルギー構成の変更を促す政策が必要であることが強調されている。これにより、産業部門の脱炭素化と競争力の強化が期待される。

JJIE2023年9月1日

日本における非伝統的金融政策と債務持続可能性

Unconventional monetary policy and debt sustainability in Japan

Enrique Alberola, Gong Cheng, Andrea Consiglio ほか

本研究は、日本における非伝統的金融政策が債務持続可能性に与える影響を探求する。特に、2013年に日本銀行が導入した量的質的緩和(QQE)が、国の債務ダイナミクスにどのように作用するかを理解することが重要である。著者らは、確率的なマクロ経済および財政変数を考慮したモデルを適用し、QQEの影響を評価するためのシナリオツリーを構築した。モデルのキャリブレーションは、QQEの実施に基づいて行われ、過去のデータを用いた分析により、QQEが国の債務ダイナミクスに大きな好影響を与えたことが明らかになった。さらに、異なる出口戦略の下での将来予測シミュレーションでは、QQEの終了とその巻き戻しが債務持続可能性に懸念をもたらす可能性があることが示された。特に、グローバルな金融条件の急激な引き締めは、債務ダイナミクスに悪影響を及ぼし、債務を持続可能に保つためには財政調整が必要になる可能性がある。これにより、政策担当者は金融政策の出口戦略を慎重に考慮する必要があることが示唆される。