JJIE2023年3月1日
労働市場の集中と賃金への異質な影響:日本の証拠
Labor market concentration and heterogeneous effects on wages: Evidence from Japan
本研究は、労働市場の集中が賃金に与える影響を実証的に探求しています。労働市場の集中が賃金に及ぼす影響を理解することは、労働政策や経済政策の設計において重要です。データは日本の製造業を対象に、労働市場の集中度と賃金の関係を分析しています。推定には回帰分析を用い、労働市場の集中度、労働の硬直性、下流製品市場の競争度、製造業外の雇用機会の影響を考慮しています。主な結果として、労働市場がより集中している場合、賃金は抑制されることが示されました。具体的には、労働市場の集中度が高いほど賃金の反応が鈍くなる傾向があり、下流製品市場の競争が強い企業では、賃金への集中度の影響が小さくなることが確認されました。また、製造業外により多くの雇用機会が存在する場合、集中度と賃金の関係が弱まることも明らかになりました。これらの結果は、労働市場の集中が賃金に与える影響が、労働の硬直性や市場競争の程度、外部の雇用機会によって変化することを示唆しており、労働政策や市場競争政策の重要性を強調しています。