COVID-19パンデミックにおける企業間関係とリモートワーク導入の影響
Impacts of inter-firm relations on the adoption of remote work: Evidence from a survey in Japan during the COVID-19 pandemic
本研究は、COVID-19パンデミックにおけるリモートワークの導入に対する企業間関係の影響を探求する。リモートワークの導入は企業の関係性によって異なる可能性があり、この点を明らかにすることは、企業の働き方改革における重要な示唆を提供する。データは、日本の製造業者および卸売業者を対象にした独自の調査と取引関係データを組み合わせて使用されており、対象期間はパンデミックの発生からの期間である。推定戦略としては、企業の規模を制御した上で、リモートワークの導入に対する影響を分析している。主な結果として、パンデミック前により多くのサプライヤーから調達していた企業は、リモートワークを導入する可能性が有意に高いことが示された。一方で、多くの顧客に販売している卸売業者は、リモートワークへ移行する可能性が低いことが確認された。これらの結果は、企業間の取引関係がリモートワークの導入において重要な要素であることを示しており、企業の働き方に関する政策立案や理論的な議論に貢献する。特に、企業のサプライチェーンや顧客関係の構造が、リモートワークの普及に与える影響を考慮する必要があることを示唆している。