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JWE2025年12月1日

ASEAN諸国におけるCOVID-19の家庭への影響と人材育成への示唆

Impacts of COVID-19 on households in ASEAN countries: Medium-run impacts and their implications for human capital development

Peter J. Morgan, Trinh Q. Long, Kunhyui Kim

本研究は、COVID-19パンデミックがASEAN諸国の家庭に与える中期的な影響を明らかにし、これが人材育成に与える意義を探求することを目的としています。このテーマは、経済的な困難が家庭の教育や将来の人材育成にどのように影響するかを理解する上で重要です。著者らは、7カ国の家庭を対象に2回のインタビューを実施し、データを収集しました。分析には、家庭の収入層、世帯主の教育水準、世帯主の性別、職を失ったかどうか、ロックダウン地域に居住しているかなどの要因が考慮されています。主な結果として、低所得層や教育水準の低い世帯主を持つ家庭が支出の減少や経済的困難を経験しやすいことが示されました。また、政府からの支援金は、パンデミック前の収入に対して低所得層でより多く受け取られており、政府の支援が経済的困難の軽減に寄与することが明らかになりました。これらの結果は、経済政策の設計において、特に脆弱な家庭への支援の重要性を示唆しています。

JWE2025年12月1日

COVID-19が日本の労働市場におけるミスマッチを悪化させたか

Did COVID-19 deteriorate mismatch in the Japanese labor market?

Yudai Higashi, Masaru Sasaki

本研究は、COVID-19パンデミックが日本の労働市場における求職者と求人の間の職業的ミスマッチをどのように悪化させたかを検討する。特に、職業の脆弱性や雇用形態(フルタイム対パートタイム)による労働市場のセグメンテーションが、パンデミック期間中のミスマッチの動態にどのように影響したかを分析する。著者らは、Şahin et al. (2014) によって開発された手法を用いて、職業ごとの脆弱性と雇用形態に基づくミスマッチ指数を推定した。結果として、パンデミックは感染リスクが高い職業やリモートワークが容易な職業において、フルタイムおよびパートタイムの労働者双方においてミスマッチを引き起こすことが明らかになった。さらに、リモートワークが特に難しい職業においては、フルタイム労働者のミスマッチが増加したことも示された。これらの結果は、労働市場のセグメンテーションや職業の脆弱性が、危機時における労働市場の適応能力に重要な影響を与えることを示唆している。

JER2025年8月18日

修正: COVID-19パンデミックが小学生の認知・非認知スキルに与える影響

Correction: Impact of COVID-19 pandemic on the cognitive and non-cognitive skills of elementary school students

Shinsuke Asakawa, Fumio Ohtake

アブストラクトを取得できていないため、要約は編集中です。原論文の本文は、出版社サイトのリンクからご確認いただけます。

JER2025年7月16日

COVID-19が小学生の認知・非認知スキルに与える影響

Impact of COVID-19 pandemic on the cognitive and non-cognitive skills of elementary school students

Shinsuke Asakawa, Fumio Ohtake

本研究は、COVID-19パンデミックが日本の奈良市における4年生と5年生の認知スキルおよび非認知スキルに与える影響を検討する。特に、2019年度のコホートに焦点を当てている。この研究では、標準化された数学テストのスコアと、積極的な数学学習に関連するモチベーション変数を用い、差分の差分法を適用してパンデミックを経験した学生とそうでない学生を比較した。結果として、パンデミックは短期的には標準化された数学スコアに限られた負の影響を与えたが、学校閉鎖から7か月後にはポジティブな効果が現れた。特に、パンデミック前のテストスコアが低い学生は、短期的なスコアの低下が大きく、長期的な認知スキルの改善が強く見られた。また、非認知スキル、特に数学学習に対する態度はパンデミックを経験した学生の間で向上した。しかし、学校閉鎖中およびその後に不利な生活条件にあった学生は、認知・非認知スキルの両方で依然として否定的な影響を受けており、特に低スコアの四分位数において大きな格差が観察された。これらの結果は、学習の格差を緩和し、パンデミックの長期的な影響に苦しむ学生を支援するためのターゲットを絞った政策介入の必要性を示唆している。

JER2025年6月20日

アフリカ都市におけるマイクロ企業の多次元的非公式性と異質性

Multi-dimensional informality and heterogeneity of microenterprises in urban Africa

Nobuaki Hamaguchi, Hiroyuki Hino, Charles Piot ほか

本研究は、アフリカの都市におけるマイクロ企業の非公式性とその異質性を探求することを目的としている。特に、企業の非公式性が業績に与える影響を理解するために、Composite Informality Index (CII) を開発した。この指標は、企業の非公式性の度合いをスカラーで測定するものであり、従来の二元的な公式・非公式分類や個別の非公式性の側面よりも優れた関連性を示すことが明らかとなった。データはアフリカの都市部に位置するマイクロ企業を対象とし、COVID-19の影響を受けた期間を含む。著者らは、企業の雇用規模がCIIと負の相関関係にあることを示し、政府への依存度が低い企業ほど非公式である傾向があることを発見した。さらに、ポジティブな起業家精神がより公式な実践に結びつくことも確認された。CIIと売上成長の関係は不明瞭であったが、技術の導入やビジネスパートナーシップが成長を促進する重要な要因であることが示された。COVID-19のショック期間中には、より非公式な企業が強い売上パフォーマンスを示したが、その利点は回復期には持続せず、非公式性とショック後の売上成長との関連は統計的に有意ではなかった。これにより、高い非公式性が必ずしも企業のレジリエンスを高めるわけではないことが示唆される。

JER2025年5月26日

COVID-19パンデミックにおける自発的ロックダウンの影響と社会的資本の役割

How long do voluntary lockdowns keep people at home? The role of social capital during the COVID-19 pandemic

Yuta Kuroda, Takaki Sato, Yasumasa Matsuda

本研究は、COVID-19パンデミックの期間中における自発的な予防行動と政策遵守が、地域の社会的資本のレベルによってどのように異なるかを分析することを目的としています。このテーマは、パンデミック対策の効果を高めるために、社会的資本の重要性を理解する上で重要です。著者らは、8000万以上のモバイルデバイスから得たデータを用いて、都市ごとの日次モビリティ指標を作成し、2021年のデータを中心に分析を行いました。結果として、社会的資本が低い地域では、自発的な予防活動と政策遵守が大幅に減少した一方で、社会的資本が高い地域ではその影響が見られませんでした。また、社会的資本の影響は地域によって異なり、特に発展した都市部では、規範や文化が行動に与える影響は小さいことが示されました。さらに、日本においては、政治的支持に関する行動の異質性が、イデオロギーや立場ではなく、政党の多数派か少数派かによって決まることが明らかになりました。これらの結果は、地域社会に利益をもたらす行動の重要な要因として、他者との一致を重視することが挙げられることを示唆しています。

JER2024年11月15日

パンデミックで最も影響を受けた人々は誰か?日本における幸福度の分布回帰分析

Who suffered most in the pandemic? A distribution regression analysis of happiness in Japan

Anqi Li, Shiko Maruyama

本研究は、COVID-19パンデミックが日本における幸福度に与えた影響を、誰が最も苦しんだのかという観点から詳細に分析することを目的としています。この問題は、メンタルヘルスや主観的幸福感への影響に関する既存の研究が多い中で、特に重要です。データは、2019年と2021年に実施された日本のオンライン調査から得られ、著者らは個人の幸福度の変化を社会経済的特性によって比較し、複数の回帰分析および分布回帰(DR)フレームワークを活用しています。研究の結果、パンデミックの影響は大きな異質性を示し、特に女性の幸福度への影響は男性の約2倍であることが明らかになりました。また、DR分析により、パンデミックは中程度の幸福度を持つ個人に主に影響を及ぼしたことが示され、全体的な幸福度の範囲は大きく変動しなかったことが確認されました。特に、女性学生や高収入の自営業者・フリーランスの独身女性には影響が少なく、対照的に、フルタイムで高収入の既婚男性はより深刻な影響を受けたことが分かりました。教育や年齢は影響の大きさには有意な役割を果たさなかったとされています。これにより、社会経済的特性が幸福度の変化において重要な要因であることが示唆されます。

JER2024年11月12日

家族構造と主観的幸福度:COVID-19前後の日本における子どもの影響

Family structure, gender, and subjective well-being: effect of children before and after COVID-19 in Japan

Eiji Yamamura, Fumio Ohtake

本研究は、家族関係の変化が祖父母と親の主観的幸福度(SWB)に与える影響を探求することを目的としています。特に、COVID-19パンデミックが家族の役割に及ぼした影響を考慮し、子どもや孫の性別がSWBにどのように関連するかを分析します。データは2016年から2023年にかけて独立に収集された個人レベルのパネルデータを用いており、対象は日本の家庭です。分析の結果、COVID-19前と比較して、(1) 孫娘は祖母のSWBを増加させ、(2) 娘と息子は父親のSWBを減少させ、母親のSWBには変化が見られないことが明らかになりました。また、(3) 息子の負の影響は、父親に若い兄弟がいる場合に大幅に軽減されることが示されました。これにより、父親は幼少期の兄弟との相互作用から学び、家族の生活様式や関係が変化した際にも息子との関係悪化を回避できる可能性が示唆されます。

JJIE2024年3月1日

COVID-19による学生の学習とスクリーンタイムの不平等:日本の事例

Inequalities in student learning and screen time due to COVID-19: Evidence from Japan

Masaya Nishihata, Yohei Kobayashi

本研究は、COVID-19に関連する学校閉鎖が学生の学習時間とスクリーンタイムに与える影響を検討しています。この問題は、特に教育格差が拡大する可能性があるため重要です。データは、日本における2020年1月から5月の期間に収集され、低所得家庭、学業成績が低い学生、及びシングルペアレント家庭に住む小学生に焦点を当てています。推定戦略としては、学校閉鎖の長さが学習時間の減少とスクリーンタイムの増加に与える影響を分析しています。結果として、学校閉鎖が長引くほど、学習時間は減少し、スクリーンタイムは増加することが明らかになりました。特に、低所得家庭や学業成績が低い学生、シングルペアレント家庭の小学生において、この悪影響が顕著であることが示されました。また、シングルペアレント家庭の小学生に関しては、2021年1月までその悪影響が持続する可能性があることも指摘されています。中学生においては、ライブオンライン授業が学習時間の減少に対する緩和効果を持つ一方で、学業成績が低い学生にはその効果が見られないことが分かりました。これらの結果は、教育政策の見直しや支援の必要性を示唆しています。

JWE2023年12月1日

COVID-19パンデミックにおける企業間関係とリモートワーク導入の影響

Impacts of inter-firm relations on the adoption of remote work: Evidence from a survey in Japan during the COVID-19 pandemic

Eiichi Tomiura, Hiroshi Kumanomido

本研究は、COVID-19パンデミックにおけるリモートワークの導入に対する企業間関係の影響を探求する。リモートワークの導入は企業の関係性によって異なる可能性があり、この点を明らかにすることは、企業の働き方改革における重要な示唆を提供する。データは、日本の製造業者および卸売業者を対象にした独自の調査と取引関係データを組み合わせて使用されており、対象期間はパンデミックの発生からの期間である。推定戦略としては、企業の規模を制御した上で、リモートワークの導入に対する影響を分析している。主な結果として、パンデミック前により多くのサプライヤーから調達していた企業は、リモートワークを導入する可能性が有意に高いことが示された。一方で、多くの顧客に販売している卸売業者は、リモートワークへ移行する可能性が低いことが確認された。これらの結果は、企業間の取引関係がリモートワークの導入において重要な要素であることを示しており、企業の働き方に関する政策立案や理論的な議論に貢献する。特に、企業のサプライチェーンや顧客関係の構造が、リモートワークの普及に与える影響を考慮する必要があることを示唆している。

JJIE2023年12月1日

COVID-19パンデミックにおけるリモートワークの利点と決定要因

Potential benefits and determinants of remote work during the COVID-19 pandemic: Evidence from Japanese Household Panel Data

Kayoko Ishii, Isamu Yamamoto, Mao Nakayama

本研究は、COVID-19パンデミック中のリモートワークが主観的な幸福感、特に主観的生産性、仕事への関与、健康状態に与える影響を検討し、リモートワークを継続的に実施するための労働者や職務の特性を明らかにすることを目的としています。この研究は「日本家庭パネル調査(JHPS)」および「COVID-19特別調査(第1波と第2波)」のデータを用いています。推定戦略としては、多項ロジットモデルを用いてリモートワークの特性を分析し、リモートワークが継続的に行われる職場の特徴として、労働時間よりも成果が重視されることや、柔軟な勤務形態が許可されていること、優れた管理慣行が実施されていることが示されました。また、ITスキルが高い労働者や新技術に触れている労働者、抽象的な業務に従事している労働者が、緊急事態宣言後もリモートで働く可能性が高いことが明らかになりました。主な結果として、緊急事態宣言解除後にリモートで働き続けた労働者は主観的幸福感が向上した一方で、初回の緊急事態宣言中に一時的にリモートワークを行った労働者は逆に負の影響を受けたことが示されています。これにより、リモートワークの導入が労働者に与える影響は一様ではないことが示唆されています。

JJIE2023年9月1日

東京23区における外国人に対する賃貸住宅市場の差別に関するフィールド実験

A field experiment on discrimination against foreigners in the rental housing market in Japan examining the 23 wards of Tokyo

Takeru Sugasawa, Kei Harano

本研究は、日本における賃貸住宅市場における外国人に対する差別の実態を明らかにすることを目的としています。特に、これまでの研究では、アメリカや欧州諸国における差別が主に取り上げられてきましたが、日本における具体的な定量的証拠は不足しています。著者らは、2019年12月から2020年2月にかけて、東京23区を対象にしたコレスポンデンス研究を実施し、外国人に対する差別の実態を観察しました。具体的には、中国名または韓国名を使用した場合、賃貸申込に対する肯定的な応答を得る確率が、日本名を使用した場合と比較して約13%低下することが明らかになりました。また、COVID-19危機が賃貸住宅の所有者や不動産業者の差別的行動を増加させたことも確認されました。これらの結果は、日本における外国人の賃貸住宅市場へのアクセスにおける障壁を示しており、政策立案者に対して差別的行動を是正する必要性を訴える重要な示唆を提供しています。