An empirical study of the well-being of older individuals in China, Japan, and Korea
Selahattin İmrohoroğlu, Zhixiu Yu
本研究は、中国、日本、韓国における54歳から75歳の高齢者の幸福度に影響を与える要因を明らかにすることを目的としています。この研究は、Rand HRSに類似した調査であるCHARLS(中国)、JSTAR(日本)、KLoSA(韓国)を用いており、対象期間は各国の調査波を含んでいます。著者らは、主観的幸福度(SWB)に関連する経済的、社会的、人口統計的特性を考慮した国別および性別のパネル回帰分析を実施しました。分析の結果、教育、健康、雇用状況、社会的相互作用が、過去の研究と同様に、幸福度において重要な要因であることが確認されました。また、特に韓国では、最近の調査波において高齢者のSWBが2006年の初回波と比較して低下していることが示されました。さらに、国ごとの住宅資産、相対所得、生活満足度の要因に関して重要な違いが存在することが明らかになり、各国特有の幸福度の決定要因に関するさらなる研究が必要であることが示唆されています。
Who suffered most in the pandemic? A distribution regression analysis of happiness in Japan
Anqi Li, Shiko Maruyama
本研究は、COVID-19パンデミックが日本における幸福度に与えた影響を、誰が最も苦しんだのかという観点から詳細に分析することを目的としています。この問題は、メンタルヘルスや主観的幸福感への影響に関する既存の研究が多い中で、特に重要です。データは、2019年と2021年に実施された日本のオンライン調査から得られ、著者らは個人の幸福度の変化を社会経済的特性によって比較し、複数の回帰分析および分布回帰(DR)フレームワークを活用しています。研究の結果、パンデミックの影響は大きな異質性を示し、特に女性の幸福度への影響は男性の約2倍であることが明らかになりました。また、DR分析により、パンデミックは中程度の幸福度を持つ個人に主に影響を及ぼしたことが示され、全体的な幸福度の範囲は大きく変動しなかったことが確認されました。特に、女性学生や高収入の自営業者・フリーランスの独身女性には影響が少なく、対照的に、フルタイムで高収入の既婚男性はより深刻な影響を受けたことが分かりました。教育や年齢は影響の大きさには有意な役割を果たさなかったとされています。これにより、社会経済的特性が幸福度の変化において重要な要因であることが示唆されます。
Well-being paradox: comparing the age-happiness relationship across Japan, China, and the US
Takashi Oshio, Satoshi Shimizutani
本研究は、年齢が上がるにつれて主観的幸福感が安定または改善するという「幸福度の逆説」に焦点を当て、そのメカニズムを日本、中国、アメリカのデータを用いて比較しています。このテーマは、健康や社会的損失が悪化する中で人々の幸福感がどのように変化するかを理解する上で重要です。著者らは、日本(2000–2018年)、中国(2003–2021年)、アメリカ(2000–2022年)の繰り返し横断調査データを使用し、期間効果やコホート効果を制御した上で、各国における年齢と幸福度の関係を分析しました。結果として、いずれの国でも年齢と幸福度の間にU字型の関係が観察されましたが、底の年齢は日本で58歳、中国で49歳、アメリカで42歳と異なり、また曲線の鋭さも国によって異なりました。特に、配偶者の喪失が全ての国で幸福度に与える影響が大きいことが示され、介入変数を制御した後、U字型曲線の傾きがより急になることが確認されました。これにより、幸福度の逆説が強固であることが示唆され、政策立案や社会福祉の分野において、年齢に伴う幸福感の変化を考慮する必要性が浮き彫りになっています。