Navigating trade shocks: The impact of the US–China trade war on Japanese exporters and multinational firms
Toshiyuki Matsuura
本研究は、米中貿易戦争が日本の企業に与える影響を、特に第三国の企業への外的ショックの伝播に焦点を当てて検討します。この研究は、主に日本の企業が中国への輸出にどれほど依存しているかを考慮し、データとして日本の輸出統計を使用し、対象期間は貿易戦争が始まった2018年からのデータを分析しています。推定戦略には、輸出額の変動を分析するための回帰モデルが用いられています。結果として、日本の企業の中で中国への輸出に依存している企業は、7.5%の輸出減少を経験し、特に多国籍企業でない企業が最も大きな影響を受けました。また、日本の多国籍企業の中国にある子会社は、米国への輸出が34%減少しましたが、全体としては米国向け輸出を行う子会社が少なかったため、影響は限定的でした。さらに、中国における日本の子会社の現地販売は25%減少しましたが、多くの企業はこの減少を日本や他のアジア市場への輸出増加によって相殺しました。貿易戦争は、日本の親会社からの調達にもわずかな減少をもたらしましたが、その影響は小さかったです。総じて、米国向けの輸出に依存する多国籍企業の子会社や、日本の非多国籍企業が最も大きな影響を受けたことが示されました。
The knowledge transfer patterns of multinational firms: The evidence from Korean firm-level analysis
Hyunjung Cho, Gahee Bak, Junyun Kim ほか
本研究は、KellerとYeaple(2013)の理論仮説の一つを検証し、貿易コストと親会社の知識集約度が外国子会社への知識移転に与える影響を探ります。この問題は、多国籍企業の知識移転のメカニズムを理解する上で重要です。データは2007年から2018年までの韓国の製造業企業のパネルデータを使用し、知識移転を(a)知識が埋め込まれた社内貿易と(b)直接的なコミュニケーション(人材の派遣)に分けて分析します。推定戦略には固定効果モデルと動的パネル推定を用いています。主な結果として、貿易コストは知識が埋め込まれた社内輸出を有意に減少させる一方で、知識集約度が高い場合にはその影響が緩和されることが示されました。しかし、貿易コストと知識集約度は直接的なコミュニケーションには有意な影響を及ぼさないことも明らかになりました。これらの結果は、知識移転の戦略を考える上での理論的な示唆を提供し、既存の研究に対する新たな視点を提供します。
Impact of international expansion strategy on the performance of Japanese banks
Joseph Jr. Aduba, Kozo Harimaya
本研究は、日本の銀行が国際展開を行う際の多国籍銀行業務の影響を探求し、特に国境を越えた多様化が銀行の業績に与える効果を検討します。このテーマは、国際的な金融統合がグローバルな金融経済に及ぼす影響に関する重要な議論の一部であり、特に日本の銀行における国際業務の事例はこれまで十分に研究されていませんでした。データは日本の主要銀行に関するもので、対象期間は不明ですが、推定戦略としては回帰分析を用いています。結果として、国境を越えた多様化はコスト効率を改善する一方で、利益効率を低下させることが示されました。また、外国資産の拡大や外国支店の運営は資金リスクや運営の非効率をもたらすことが明らかになりました。これらの結果は、日本の銀行が国際的な貸出市場において重要な役割を果たす中で、現在の拡大活動に対する監視と管理が必要であることを示唆しています。特に、海外資産や支店の拡大戦略は再評価されるべきです。