日本のプライマリーフィスカルバランスに関する資産価格解釈
Asset pricing interpretations of the primary fiscal balance: the case of Japan
本研究は、日本政府がプライマリーフィスカルバランス(PFB)を通じて、どのように資産価格を利用しているかを探求する。特に、Chien et al.の主張に対して反証を試みるものであり、政府が高いβ資産を保有することで、財政的な負担を軽減できるかが重要な問いである。データは、2010年代中盤から2020年代中盤までの日本の財政状況に関するもので、政府のネット負債と資産の動向を分析するために、PFBのネット負債版を用いて理論的な検証を行った。結果として、著者らは政府に対するアービトラージ機会の存在が確認できず、政府のネットポジションは中程度のβにとどまることを実証した。この結果は、Chien et al.の主張とは明確に対立しており、政府の資産運用に対する新たな視点を提供する。これにより、政策担当者は財政政策における資産運用の実態を再評価する必要性がある。