日本における長期雇用の過去と現在
Long-term employment in Japan: past and present
本研究は、日本の長期雇用慣行の進化を再考し、1982年から2022年までの新たな証拠を提供することを目的としています。特に、リーマンショックやCOVID-19パンデミックといった重大な経済的ショックを経た最近の数十年に焦点を当てています。データは雇用状態調査から得られ、性別や教育水準別に10年の雇用維持率を推定しています。著者らは、日本の長期雇用システムが1990年代以降に衰退したという一般的な見解に反し、過去40年間にわたって雇用維持率が高い安定性を保っていることを発見しました。特に、5年以上の勤続年数を有する中堅社員は、経済的ショックの際にも高い維持率を示しています。一方で、若年層の新入社員、特に大学卒業者の雇用安定性は大きく低下していますが、コホート分析により、この初期キャリアの不安定さは持続しないことが示されています。また、全体の中堅社員の割合に減少は見られず、若年男性層は長期勤続の蓄積に一時的な遅れがあるものの、最終的には安定した長期雇用関係に移行することがわかりました。さらに、定年年齢の引き上げが高齢者の雇用維持に寄与していることも確認されています。これらの結果は、日本の長期雇用システムの回復力を示し、政策討論はその実証的な関連性に基づくべきであることを示唆しています。