Equilibrium land use with collective housing developments: voting with feet and entrepreneurship
Hideo Konishi
本研究は、都市経済学における均衡土地利用の分析において、従来の単中心都市モデルが集合住宅開発を十分に考慮していない点に着目しています。集合住宅開発は、都市の土地利用において重要な要素であるため、その分析を行うことは重要です。本稿では、閉じた都市の単中心モデルを再考し、複数の住宅開発タイプや様々な消費者タイプ、地域政府による開発規制を考慮した均衡土地利用のフレームワークを提示します。推定戦略としては、地域外部性や住宅の共同生産を取り入れた自由参入均衡の概念を導入し、最小限の仮定の下でその存在と制約付き効率性を証明します。具体的には、効用とコスト関数の連続性、コンパクトな実現可能集合を前提としています。主な結果として、自由参入均衡においては、テナントを引き付けるための利益を上げる住宅開発が存在しないことが示されます。これにより、集合住宅開発の重要性が再確認され、政策的には地域の住宅政策や都市計画に対する新たな視点を提供します。
How Masa Fujita shaped the present of spatial economics and how he will inspire its future
Gilles Duranton, Tomoya Mori
本研究は、空間経済学における藤田雅氏の業績を選択的にレビューし、彼がいかに研究のアジェンダを数十年にわたり定義し、分野の重要な転換点を生み出したかを示します。藤田氏の研究は、都市のサイズや配置、都市構造が内生的に決定される理論の発展において、依然として重要なインスピレーションの源であると論じています。著者らは、藤田氏の最終的な知的目標が未だ達成されていないことを指摘しつつ、その業績が今後の研究に与える影響を強調します。
The impact of flooding on real estate transactions in densely populated areas: Evidence from the 2019 Typhoon Hagibis in Japan
Ikuto Aiba, Daisuke Hasegawa
本研究は、2019年10月に日本を襲った台風ハギビスによる洪水が都市部の不動産取引に与える影響を検証しています。この研究は、洪水を自然実験として利用し、差分の差分法を適用することで、洪水地域における契約価格と提示価格がそれぞれ平均で約6.0%および5.5%低下したことを明らかにしました。この価格下落は、契約価格と提示価格の変化から定義される割引率が約0.5ポイント上昇したことを示しています。また、アパート取引に関しては、高層階の物件に対する悪影響が顕著である一方で、低層階には有意な影響が見られないことが分かりました。このことは、買い手が高層階も洪水のリスクにさらされることを認識し始めた可能性を示唆しています。さらに、戸建住宅に対する洪水の悪影響は、アパートよりも深刻であり、影響が現れるのも遅いことが明らかになりました。
Impact of diseconomy of mixed land-use on factory land redevelopment in large urban area: Evidence from Japan
Shinya Fukui, Dung Anh Luong
本研究は、大都市における工場用地の再開発における混合土地利用の非経済性の影響を探ることを目的としています。工場用地は、住宅や商業施設に転用される可能性が高く、工場の立地が難しくなっています。この問題は、都市計画や経済発展において重要な課題です。著者らは、日本の大阪市における1,824件の土地利用データを用い、2013年から2018年までの期間にわたって推定を行いました。推定戦略には、再開発理論に基づくモデルが採用されています。主な結果として、混合土地利用の非経済性が工場用地の再開発に大きな影響を与えることが示されました。また、ゾーニング地区の緩い規制や工場の地域経済性の欠如も、工場用地の再開発を促進する要因として特定されました。これらの知見は、都市計画や土地利用政策における重要な示唆を提供し、工場用地の持続可能な利用に向けた戦略の再考を促すものです。