Nonparametric estimation of matching efficiency and elasticity on a private on-the-job search platform: Evidence from Japan, 2014–2024
Suguru Otani
本研究は、日本の民間求人プラットフォームにおける高技能労働者のマッチング効率と弾力性を非パラメトリック手法を用いて推定することを目的としています。この研究は、求人市場におけるマッチングの動態を理解する上で重要であり、特に民間と公的な求人プラットフォームの違いを明らかにすることが期待されます。著者は、2014年から2024年までのBizReachの独自データを使用し、LangeとPapageorgiou(2020)の非パラメトリックアプローチに基づいてマッチング関数を推定しました。推定の結果、民間プラットフォームのマッチング効率は公的なHello Workと比較して、より高く、かつ変動が大きいことが示されました。具体的には、ユーザーに対するマッチングの弾力性は約0.75であり、求人に対しては1.0に達し、Hello Workよりもバランスの取れた弾力性を示しています。また、業界レベルでの異質性も明らかにされ、セクターごとのマッチングダイナミクスの違いが浮き彫りになりました。これらの結果は、日本におけるHello Workの改革と関連付けられ、政策的な示唆を提供しています。
Do lifelong experiences of land prices affect homeownership in Japan?
Kiichi Tokuoka
本研究は、生涯にわたる地価の成長経験が日本における住宅所有にどのように影響するかを検証することを目的としています。このテーマは、住宅市場における個人の意思決定や政策立案において重要な示唆を与える可能性があります。データは日本の家計調査から収集され、対象期間は具体的に示されていませんが、著者は生涯の実質地価成長の加重平均を計算し、重み関数の形状を決定するパラメータを推定しています。さらに、米国のデータを用いて結果を補強しています。分析の結果、日本と米国の両方のデータにおいて、地価の成長経験が住宅所有に影響を与えるという仮説が支持され、これは住宅投資からのリターンに対する期待に影響を与える信念チャネルと一致しています。これにより、地価の変動が住宅市場における個人の行動に与える影響を理解する手助けとなり、政策的には住宅市場の安定化に向けた施策の重要性を示唆しています。
Influence of a special tax-cooling measure on housing prices in Taiwan: a hedonic pricing model with consideration of the spillover effect
Yiwen Yang
本研究は、台湾における不動産価格の上昇を抑制するために、2011年6月に政府が短期不動産取引に課した取引税(特定選択商品サービス税、SSGST)が住宅市場に与える影響を検討しています。この問題は、取引税が住宅価格に及ぼす効果に関する文献が一貫していないため、重要です。著者らは、住宅の内在的特性が価格に与える影響を評価するために、ヘドニック価格モデルを採用し、合併された行政データを用いて分析を行いました。分析対象は、SSGST施行後の台湾の短期不動産取引です。結果として、特別税は短期取引における住宅価格の低下に寄与し、税率が高いほど価格の下落幅が大きいことが示されました。また、この影響は徐々に広範な住宅市場にも及ぶことが確認されました。しかし、中央政府が管理する自治体では、SSGST政策に対する価格の感応度が低いことも明らかになりました。これにより、政策担当者は地域ごとの市場特性を考慮する必要があることが示唆されます。
Firm entry and exit dynamics in Japan: institutions, policies, and empirical insights
Miho Takizawa
本研究は、日本における企業の参入と退出の特異な特徴を包括的に検討し、その背景にある制度、文化、政策の相互作用が起業家行動や企業の入れ替わり、産業構造、さらには国の長期的な経済パフォーマンスに与える影響を探ります。この研究では、戦後の経済成長期から「失われた10年」に至るまでの歴史的視点を取り入れ、日本の金融および労働市場の制度、規制枠組み、文化的規範が、企業の最適な退出決定を遅延または歪める様子を示します。データは製造業および非製造業からのマイクロレベルの証拠に基づいており、日本の企業風景を支配する中小企業が直面する特有の制約や政策による歪みを明らかにします。特に、労働市場の硬直性や「ゾンビ融資」、公的信用保証プログラムが生産性向上を妨げていることを指摘し、最近のCOVID-19パンデミックによる影響も考慮に入れています。最後に、社会的安定と経済的ダイナミズムのバランスを取るための政策オプションとして、労働市場の改革や公的信用保証の再構成、金融支援メカニズムの選択的調整を提案します。
Editorial for Digital Economy
Shin-ichi Fukuda, Joshua Hausman, Kenichi Ueda
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Indonesian capital city relocation and regional economy's transition toward less carbon-intensive economy: An inter-regional CGE analysis
Arief A. Yusuf, Elizabeth L. Roos, J. Mark Horridge ほか
本研究は、インドネシアの首都をジャカルタから東カリマンタンに移転することが、地域経済の構造に与える影響を探求しています。このテーマは、炭素集約型経済からの転換が求められる現代において、地域の持続可能な発展に重要な意義を持ちます。著者らは、地域間計算可能一般均衡モデルを用いて、経済セクター間の相互関連性を考慮した分析を行っています。対象地域は、首都移転後の東カリマンタンと旧首都ジャカルタで、具体的なデータは移転前後の経済指標に基づいています。
研究の結果、首都移転により東カリマンタンの地域総生産(GRDP)が22%増加し、一方でジャカルタのGRDPは7%減少することが示されました。また、サービスセクターの割合が12%増加し、これは過去20年に匹敵する大規模な構造変化を示しています。さらに、東カリマンタンの炭素排出強度は18%減少し、低炭素経済への移行が進んでいることが明らかになりました。
この研究は、インドネシアの地域経済が自然資源依存型からサービス志向の低炭素経済へと多様化する可能性を示唆しており、政策立案者にとって、持続可能な経済成長を促進するための重要な知見を提供しています。既存の文献に対しても、地域間の経済構造変化に関する新たな視点を加えるものとなっています。