エコノメディア

日本語で読む経済学研究

Tag

#製造業

4

JWE2026年3月1日

製造業の輸出におけるサービスの役割の再考:日本企業のデータからの証拠

Revisiting the role of service for manufacturing firm exports: Evidence from Japanese firm-level data

Toshiyuki Matsuura

本研究は、日本の製造業におけるサービス化が輸出市場でのパフォーマンスに与える影響を再考します。特に、2009年から2019年までの日本の企業レベルのパネルデータを用いて、企業のサービス化を内部サービス生産と外部から購入したサービス入力の2つの指標で測定しました。これらのサービス化のタイプが、グローバルバリューチェーンへの参加と輸出強度という企業のパフォーマンスにどのように影響を与えるかを分析します。相関ランダム効果モデルを用いて、観察されない個別の固定効果を制御した結果、外部から購入したサービス入力、特にサービスのアウトソーシングが、グローバルバリューチェーンへの参加と輸出強度を有意に改善することが明らかになりました。この効果は特にハイテク産業において顕著です。これにより、サービス化が企業の海外ビジネス拡大において重要な役割を果たすことが示唆されます。

JJIE2024年12月1日

中国ショックが日本の製造業に与える雇用フローへの影響

The effect of regional import shocks on job flows in Japanese manufacturing establishments

Masahiro Endoh

本研究は、中国ショックが日本の製造業における雇用フローに与える影響を検討することを目的としています。このテーマは、地域の輸入ショックが雇用の創出や喪失にどのように寄与するかを理解する上で重要です。研究では、2006年から2016年までの全日本の製造業の事業所データを用い、回帰分析を通じて業界レベルの輸入ショックが事業所の退出確率に与える影響を評価しました。結果として、業界レベルの輸入ショックは、特定のグループにおいてのみ退出確率を増加させることが明らかとなりました。特に、非集積地域に位置する単独の小規模事業所は、地域レベルの輸入ショックに対処するために「冬眠戦略」を採用しました。さらに、これらの生き残った事業所は、輸入ショックに応じて雇用の創出と喪失を加速させ、全体的な雇用フローの規模を拡大させました。これらの結果は、事業所レベルの観察と詳細な雇用フローの分類を用いたことによって得られました。

JJIE2024年9月1日

モビリティデータを用いた経済活動の即時予測

Nowcasting economic activity with mobility data

Kohei Matsumura, Yusuke Oh, Tomohiro Sugo ほか

本研究は、モバイルアプリケーションから得られるGPSモビリティデータを用いて、サービス業の売上と製造業の生産を測定する高頻度インデックスを開発することを目的としています。この研究は、経済活動のリアルタイムな把握が求められる中で、モビリティデータがどのように役立つかを探求しています。データは、経済センサスに基づいて特定された工場エリアのフットトラフィックを利用し、アミューズメントパークやショッピングセンター、飲食サービスの売上を捉える指標を構築しています。著者らは、これらの指標を用いて、サービスセクターの売上を即時予測できることを示し、労働集約型産業の生産予測にも応用可能であることを発見しました。特に、モビリティデータは、経済活動の変動を迅速に捉える手段としての可能性を持っており、政策立案や経済予測において重要な役割を果たすと考えられます。

JWE2023年3月1日

経済危機におけるダウンサイジング戦略の有効性に関する研究

Is downsizing a good strategy during the downturn? Evidence from Taiwanese manufacturing firms

Eric S. Lin, Chia-Ling Lin, Hui-Lin Lin ほか

本研究は、経済危機における企業のダウンサイジング戦略が長期的な業績に与える影響を検討しています。特に、雇用削減やR&D予算の縮小が企業のコアコンピタンスを損なう可能性があることに注目し、ダウンサイジングが必ずしも最適な戦略ではないことを示唆しています。著者らは、2559の台湾の製造業企業から得られた独自のデータセットを用い、推定戦略としてパネルデータ分析を適用しました。研究の結果、経済危機の際に労働雇用を増加させることが、企業の長期的な全要素生産性や売上を有意に改善することが明らかになりました。具体的には、雇用のダウンサイジングは経済的な逆風に直面した際の最良の解決策ではない可能性が示されています。これにより、企業の経営戦略や政策立案において、雇用維持の重要性が再評価されるべきであることが示唆されます。